毒にも薬にもなる人生が目標のLeeの「別天地」

スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

彼の翼
私の古い仲間に Paul という男がいます。
私より3歳年上のPaulは、名前はガイジンですが、
ロサンゼルス生まれ・ロサンゼルス育ちの 韓国系アメリカ人
見た目は ばっちり東洋人です。
彼のお父様と私の祖母が知り合いという縁で、
14年前に彼が初めて東京旅行をした際に、
学生だった私が街を案内しました。
彼は英語とカタコトの韓国語しか話せなかったため、
私は つたない英語で彼を銀座線に乗せ、浅草・銀座・渋谷を案内して歩きました。

それから数年後に私が初めてNYを旅した時に、
すでにNYの弁護士として働いていたPaulが、今度は街案内をしてくれました。
その後、すっかりNYにハマった私は年に一度は訪ねるようになり、
その度に必ず時間を作ってくれました。
時は流れて、Paulの仕事場がボストンからソウル、東京と移っていっても、
私たちは細々と交流を続け、今では遠い親戚のような存在になっています。

私たちの共通点は、NYが好きなこと
英語を話すこと(私の英語は相変わらず適当ですが)、
そしてもう一つ
本当は韓国人でありながら、母国で生まれなかったことでした。
2人とも、韓国語がうまくありません(というか、私はできない)。
お互い、自分の韓国名すら、きちんと発音できない。
彼の韓国名は Jaykun、
漢字では「再建」と書くそうです。
以前、彼が唯一書ける漢字だといって、
ペーパーナフキンにゆっくり書いて見せてくれました。


ある日、なにかの はずみで、
お互いに日本語と英語の名前を付けあおう!ということになりました。
Paulが私につけた英語名は 『Neena』
なんだか Neena Lee というのは、eだらけ
(今風にいうとGReeeeNみたいで?!)若干ヘンな気もしたのですが、
ネイティブが良い!というので仕方がありません。
一応、有り難く受け取っておきました。。。

そして私が彼につけた日本語の名前は『翼』でした。
当時から「いろんな国でキャリアを積みたいんだ」と言っていた彼に
似合うんじゃないかなあ と思いついたものでした。


今、Paulはシンガポールの事務所で働いています。
ここのところ日本ヘの出張があるということで、
先日久しぶりに会いました。
Paulは「ねえ、僕の日本語の名前、覚えてる?」と聞いてきました。
でも私は10年以上も前のことだったで、忘れてしまっていました
(Neenaという名前は覚えていたのですが)。
彼は非常にがっかりした様子だったので、慌てて記憶の糸を辿り、
やっとのことで思い出したのでした。
そうだ、『翼』だったね!と。

Paulは今、家族のことで、いろいろと悩んでいました。
歳を重ねると、昔は思いもよらなかったことを背負うものなのですね。
私もあまり力になれないと知りながらも、
ただ話を聞いて、頷いてあげることしかできませんでした。


そして、シンガポールに帰った彼からメールが来たのです。

 My name has great meaning to me...
 No matter how many times I crash, I will always try to fly!


私が付けた『翼』という名前が、彼の力になっていたことを初めて知りました。
少しは役に立てていたようで、私は とても嬉しかったのです。
私もすぐに返信しました。

 No matter how many times you crash, you can rebuild youself and fly!

彼の韓国名は「再建」。
その名前と、日本語名が一緒になることで、
彼は何度でも起き上がれるはずです。

そして、私も、きっと…。


世界で自分のパスポート以外の国で生きる人は
40人に1人の割合
、と聞いたことがあります。
1クラスに1人程度いる計算なら、
自分も大して珍しい存在でもないと思っています。
それでも、その立場だから出会えた人やモノ、気づけたこと、
分かり合えたことを、
私はこれからも宝物にしていきたいと思っています

Comment

 秘密にする

Copyright © 「言葉芸者」の別天地. all rights reserved.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。