毒にも薬にもなる人生が目標のLeeの「別天地」

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花の咲く瞬間
すみません。ちょっと地味な日記でも。

土曜の午後、すこし時間があったので
地元の老人ホームにいる祖母に会いに行く。
いつも私は、日が暮れた夕飯ごろに行ってしまうので
できれば日の明るいうちに行ってあげたかった。

祖母はおととしの年末に脚のつけ根を骨折して
一時は歩けなくなるんじゃないか、と言われていたところを
そこは持ち前の頑張り屋っぷりを発揮してリハビリして
今では片杖で1人で歩けるようになっている。
毎日、筋肉を衰えさせないために
老人ホームの廊下を30往復(!)しているという ド根性な祖母。
時々、外の空気が吸いたくなるらしいが
やはり1人での外出は危ないし、
ボランティアさんに付き添いをお願いすると1時間900円を払わなきゃいけないらしく
それも『人手が足りない』といって断られることが多い…と聞いていた。

午後3時ごろ、祖母のもとを訪れて「お外、散歩してみる?」と聞くと
ニッコリして 白い帽子をかぶって 靴をはきかえた。
手をつないで歩くと、祖母は路面の店先のプランターを見ながら
「日本の人は花が好きだねー。キレイだねー。
 昔の韓国では それほど花を飾ったりしなかったわー」と話している。

公園の遊歩道を、祖母の手をとって歩く。
遠くに黒い雲があるけど、そんなすぐには降らないよねー、と呑気に言いあう。
平らな遊歩道の脇には、白いカミツレ、黄色いバラ、紫のスミレ、紅いツツジ…。
花のアーチをくぐりぬけた祖母が、うきうきと話す

tsubomi.jpg 咲く瞬間をどうしても見たくて、物知りなおじさんに聞いたら
 『朝早くに咲くんだよ~』と言われてねー。
 だから次の日、1人ですごーく早起きして
 つぼみの前で じーっと座って見てたのねー。
 そしたら…本当だったのよ!」

そこで祖母は
小さな右手を握り締めて私の目の前に差し出してから
指を1本1本開いた
「本当に、こんな感じの つぼみがねー
 ほろーっと 花びらが1枚、ほどけて来てねー、
 その後もう1枚、ほろーっと開いてから
 パーッっと咲いたのよ! すごくキレイだったわよー」

「うわー、すごいじゃん、おばあちゃん!
 花が咲く瞬間を見れた人って、なかなかいないよね」
「そうなのよー、あれはキレイだったねー」
本当に少女に戻ったような笑顔で話す祖母。

彼女が8、9歳のころには、その後の人生で
結婚相手を追って海を渡って異国に来て
その土地の言葉しか離せない孫と一緒に こんなふうに公園でしゃべっているなんて
想像もつかなかっただろうね~。

そんなことを話しながら ゆっくりと遊歩道を歩いていたら
急に雨がポツポツ…と降り始めてきて、すっかり雨になった。
祖母も私も笑って濡れながら、老人ホームに戻った。

きっと祖母は しばらくはホームの人に この日の話をするんだろうなぁ。
時間的にタイトだったけど、行って良かった。
少女だった祖母に会えた日の午後でした。

Comment

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No title
ぐっとくるわ。
何度も読ませていただきます。
g 仔 | URL | 2006/05/23/Tue 21:39[EDIT]
No title
ステキ、、
ワタシも、アメリカにいるおばあちゃんに、会いに行こう行こうと思って、
全然いけてないから、なんだかドキッとしました。

行こうかな。ほんとに!
miftaah | URL | 2006/05/23/Tue 23:25[EDIT]
No title
少し時間があったから、ってさらっと云って
さらっとこういうことをするLeeちゃん、偉いなあ。。
愛ってこういうことかしら。。
shione48 | URL | 2006/05/24/Wed 00:05[EDIT]
No title
私もばあちゃんと散歩して、あれこれ話聞いたなあ。
madamleesの家と同じく、うちのばあちゃんも、
結婚相手をおっかけて、言葉も通じないところに来たくち。
痴呆が進んできても、そのとき思いっきり船酔いした話をしていたから、
よっぽどしんどかったんでしょうなあ。
yunyunpanda | URL | 2006/05/24/Wed 14:06[EDIT]
No title
>g仔さま ★なんてことはない中に幸せがあったりするのよネ。
madamlees | URL | 2006/05/24/Wed 16:44[EDIT]
No title
>miftaahさま ★おぉ、おばあさまがアメリカにいらっしゃるのね(1世の方かな? すごいなぁ)。時間ができる今年に行ってみるのもイイんじゃないかな♪ きっと喜ばれるわぁ。
madamlees | URL | 2006/05/24/Wed 16:46[EDIT]
No title
>shione48さま ★うん、私は彼女に愛されたから、愛を返せてるんだと思うのです。愛を感じられなかった人には…私から愛は返せない。私もまだまだココロが狭い人間ですよ~(涙)。
madamlees | URL | 2006/05/24/Wed 17:01[EDIT]
No title
>yunyunpandaさま ★そうだね~、よっぽど骨身にしみるほどキツかったんだろうね~。1世の人生って本当にすごいよね。聞かせる相手がいるというのも、幸せなんだろうなぁ。
madamlees | URL | 2006/05/24/Wed 17:02[EDIT]
No title
私の祖父母は、両方とももうこの世にいないのね。母方の祖父も大好きだったけど、父方の祖母には特に可愛がってもらってね。大学生もなった私に、良~く小遣いくれたっけね。皺だらけの手を握って散歩もした。そうすると、涙流して喜ぶの。こんな皺だらけの自分の手をさすってくれるって。何だか、心が痛かった。祖母が亡くなった時、既にアメリカに居たから、最期を看取れなかった。ベッドで私の名前を呼んだって聞くと、今でも涙が出るよ。だから、貴方がちょっと羨ましいんだ、、、、。
hjihae | URL | 2006/05/26/Fri 17:13[EDIT]
No title
>hjihaeさま ★うんうん、hjihaeがとっても おばあさまに愛されていたのがよく伝わるよ。お散歩、行ったのね。こうしたちょっとしたことで、喜んでくれるのも有り難いよね。心が通っていれば、貴女の愛情が時空を超えて きっと伝わってたと思う。hjihaeのおばあさまだから きっとキュートな方だったんだろうね☆
madamlees | URL | 2006/05/27/Sat 15:15[EDIT]
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